家庭動物管理士資格の合格率はとても高めで、資格取得にかかる期間は申し込み締切から3カ月程度と動物取扱業の登録に必要な資格の中で比較的容易に取得ができる資格です。資格取得のための講習や試験、資格の認定に費用がかかりますので、資格取得の流れ、条件、費用、資格を提供している全国ペット協会について解説していきます。(※2020年6月からは動物取扱責任者の要件として認められた資格の場合も、資格+半年間の実務経験か一年間の飼養経験が必要となります。)
その他の資格については「ペットシッターになるために取るならどの資格?開業に必要な資格と取得方法」で解説していますのでご覧ください。
目次
家庭動物管理士とは?
一般社団法人全国ペット協会(以下、全国ペット協会)公認の資格で、以前は「家庭動物販売士」という資格名でした。2005年から始まったこの資格はペットショップスタッフ向けだった為、「家庭動物販売士」という名前でしたが、その後様々な業種の人々が資格取得をするようになり、資格名がそぐわなくなった為、2015年に「家庭動物管理士」という名称に変更となりました。
全国ペット協会とは?
全国ペット協会は主に動物取扱業者を対象とした団体で、2000年に施行された「動物の愛護及び管理に関する法律」をきっかけに、ペット業界が健全に発展する必要があるとの想いからペット小売業界から集まったメンバーにより2001年に設立されました。
ペットショップやトリミングサロン、ブリーダーなどを対象にスキルアップの為の資格や、刊行物の制作や販売をメインの活動としています。
資格取得の流れと費用
家庭動物管理士の資格取得には資格取得までに4万円、2年ごとの資格の更新に1万円の費用がかかります。資格取得の流れや費用がかかるタイミングは下記の通りです。
- 申し込み
全国ペット協会のweb上か、書面を郵送で申し込みを行う。
- 受験、受講料の支払い
受験料1万円、受講料2万円の合計3万円を振込やクレジットカードで支払います。
- 受験票とテキストの送付
入金後、受験票とテキストが送られてきますので、試験当日まではこのテキストで勉強を進めていきます。
- 講習と試験
試験日には事前に講習があり、その後に試験となりますので、講習と試験で丸1日必要となります。
- 合格発表
試験から1カ月程度で合否通知が届きます。
- 認定登録
合格通知に同封されている認定登録申請書の必要箇所に記入し全国ペット協会へ送付し、資格の認定登録料として1万円の振込を行います。
- 資格取得
手続きを早めに行えば、合格通知が届いてから1カ月ほどで資格証が届きます。
- 2年毎の更新
家庭動物管理士の資格は2年ごとに更新があり、更新の際には1万円の更新料がかかります。
受験資格や日程
受験資格
家庭動物管理士の試験を受けるにはいくつかの受験資格があります。
- 動物の専門学校等を卒業している、または卒業見込みの方
- 動物関係の資格を持っている方
- 動物関係のお店で働いている、もしくは働く予定の方
3番に記載の通り動物関係のお店での業務経験や学校を卒業していなくても、ペット関連の業務に就きたいと考えている方であれば受験ができます。この中には就職でなく自分での開業も含まれますので、開業予定の方もこちらの資格を取得し、動物取扱業の登録を行う事ができます。
動物取扱業登録の対象となるかは自治体により異なりますので、必ず事前に確認をした上で資格取得を目指しましょう。動物愛護管理法において過去に罰金刑以上に処されている方の資格取得はできません。
日程
講習や試験の日程は全国ペット協会のホームページで随時更新されています。直近2回分の試験の流れが載っていますが、大体各地域3か月に1回程度の頻度で試験が行われているようです。
試験内容と難易度
全国ペット協会のホームページ上でざっくりとした試験範囲が発表されるので、「テキストや講習無しで自力で勉強する!」という方は講習代の2万円を支払わず試験のみ受けるという方法も可能です。
しかし、試験範囲はアバウトな物でこれを自力で勉強しようとするとかなりの広範囲となりますので、あまり現実的な方法とは言えなそうです。
受講料を支払い試験前の講習を受ければ、テキストを元にテストに出る重要箇所を教えてくれるので、合格率は8~9割とほぼ受かる数字のようです。この残りの1割が講習を受けなかった猛者かもしれませんね。
家庭動物管理士資格のメリット
家庭動物管理士のメリットは職業経験や学校を卒業していなくても短期間で動物取扱業登録に必要な資格が取れる点です。(※2020年6月からは動物取扱責任者の要件として認められた資格の場合も、資格+半年間の実務経験か一年間の飼養経験が必要となります。)
同じく短期間で資格取得ができる愛犬飼育管理士と比較すると、愛犬飼育管理士の場合は自治体により「開業から半年間は犬のみの取扱い」という制限がついたりしますが、家庭動物管理士の場合そういった制限が少ないようです。かかる費用に関しては家庭動物管理士の方が高めです。愛犬飼育管理士についての詳細「JKC愛犬飼育管理士資格の取得方法と試験内容や難易度について」
動物取扱業の登録要件は各自治体によって異なりますので、必ずご自分で確認をするようにして下さい。動物取扱業についての詳細「ペットシッターの開業に必要な動物取扱業の登録と手続き方法とは?」
まとめ
家庭動物管理士について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?少し資格の取得費用は高めですが、経験が無くてもスピーディーに学べて取得ができる資格なので、ペットシッターの開業を目指す際の選択肢の一つとして使えそうです。その他にも短期間で取れる資格や逆に時間をかけてしっかり学ぶ資格等もありますので、自分に合った方法や資格を探し開業を目指しましょう。