ペットシッターとして開業するにはどんな資格が必要なのか?オススメの資格と取得期間や難易度について解説していきます。大切なご家族であるペットのお世話をする仕事柄、お客様との信頼関係はとても大切で、資格はその安心材料の一つにもなります。取得期間や特徴をとらえ自分にはどの資格が合っているのか?参考にして頂ければと思います。
目次
ペットシッターとは?
「ペットシッター」という言葉を知らない人でも、「ベビーシッター」という言葉はほとんどの方が知っていると思います。
ペットシッターはベビーシッターのペット版というとわかりやすいでしょう。
飼い主が旅行や出張で家を留守にする際、ご自宅に伺って飼い主の代わりにペットのお世話をするのがペットシッターの仕事です。
昔は近所の方に預けたり、家に来てもらったりと近所付き合いの延長でお願いしていたペットのお世話ですが、ペットの飼い方の変化とともに、お金を払ってでもプロにお願いしたいという方が増え、それに連れてペットシッターも増えてきました。
ペットシッターはペットのお世話のプロとしてお客様から金銭を受取るので、プロとしての資格が必要となってきます。
ペットシッターの資格はなぜ必要?
ペットシッターとして開業する場合、必ずしも資格が必要というわけではありません。
ペットシッターとして開業する為には動物取扱責任者の選任、第一種動物取扱業の登録が必要となり、その為の条件の1つとして資格の取得があるのです。
動物取扱業の登録には下記3つの条件のいずれかを満たす必要があり、①、②に該当しない方は資格が必要となります。
ペットショップ等で実務経験がある動物関係の教育機関を卒業している資格を持っている
変更後の要件は下記の通りです。
①半年間の実務経験(常勤の職員として)か1年以上の動物飼養経験(一般家庭での飼養は含まない)
②動物関係の学校を卒業している
③定められた資格を取得
①と②、もしくは①と③を満たさないと登録出来ない
※国家資格の獣医師免許・愛玩動物看護士免許を取得している方はそれのみで登録可
動物取扱業者登録について詳しく知りたい方は「ペットシッターの開業に必要な動物取扱業の登録と手続き方法とは?」で詳しく書いていますのでご覧ください。
ペットシッターとして開業できる資格の種類
動物関係の資格を何か持っていれば開業できるという訳ではなく、環境省が定める資格を取得している必要があります。下記27個の資格の内いずれかの資格を取得していれば動物取扱業の登録ができます。(※2020年6月からは動物取扱責任者の要件として資格+半年間の実務経験か一年間の飼養経験が必要となります。)
- 愛玩動物飼養管理士(1級、2級)
- 愛犬飼育管理士
- 愛護動物取扱管理士
- 家庭犬訓練士(初級、中級、上級、教師)
- 家庭動物管理士
- 競技別指導者資格馬術コーチ
- 競技別指導者資格馬術指導員
- 競技別指導者資格馬術上級コーチ
- 公認訓練士
- 公認訓練士
- 公認馬術指導者資格コーチ
- 公認馬術指導者資格指導者
- 実験動物技術者(2 級)
- 小動物飼養販売管理士
- 乗馬指導者資格(初級)
- 乗馬指導者資格(中級)
- 地方競馬教養センター騎手過程修了者
- 調教師
- 動物介在福祉士(初級、中級、上級、教師)
- 動物看護師(初級、中級、上級、教師)
- 動物看護士(3 級)
- 動物取扱士(3 級)
- トリマー(初級、中級、上級、教師)
- 認定ペットシッター
- ペットシッター士(平成21年4月1日以降取得したもの)
- GCT(Good Citizen Test)
- JAHA 認定家庭犬しつけインストラクター
ペットシッターの資格の取り方
資格の取り方には下記の3つの方法があります。
動物の専門学校に通う
動物の専門学校に通えば数年かけてしっかりと動物の知識や取扱いを勉強し、資格も複数取得する事ができるので、動物の取扱いにはかなり自信を持てるようになるでしょう。(※2020年6月からは動物取扱責任者の要件として学校の卒業+半年間の実務経験か一年間の飼養経験が必要となります。)
当然、学校に数年通うので時間とお金がかかります。その為、開業を急いでいる人や学校に通う時間が無い人、資金があまりかけられない人には向きません。
ペットシッター士や、認定ペットシッターのように通信や短期のスクールで取得
こちらは専門学校に比べ期間も短く、通う回数も限られているので、何か仕事をしながらでも資格の取得が可能です。ペットシッター士、認定ペットシッター共に通信のみで取得する事も可能です。(※2020年6月からは動物取扱責任者の要件として資格+半年間の実務経験か一年間の飼養経験が必要となります。)
コースにより6カ月かかるものから数日で取れる物まであるのですが、費用は高額です。
定期的に行われている資格試験を受ける
愛犬飼育管理士や家庭動物管理士のようにテキストで学習し、試験を受ければ取得できる資格もあります。愛犬飼育管理士に関しては講習と試験を1日で行うので、合格発表後すぐに資格の登録ができます。(※2020年6月からは動物取扱責任者の要件として資格+半年間の実務経験か一年間の飼養経験が必要となります。)
それぞれ費用はかかりますが、上記2つに比べると短期間でコストを抑えて資格の取得ができます。
短期間で取得できる資格
出来る限り早く資格の取得がしたいという方にオススメの資格をご紹介します。
愛犬飼育管理士
こちらの資格は講習と試験を1日で行い、試験に合格すると資格の登録ができます。
3、4カ月に1回程度、東京や各地方で資格試験を行っています。ホームページ上では直近の試験予定のみ公開されていますので、申し込み期限が過ぎている場合は次の更新を待つか開催予定を問い合わせてみましょう。
当日の講習をしっかり受けていれば、ほぼ合格できる試験なので比較的簡単に取得できる資格といえます。
受験、資格の登録に費用がかかるのと、都道府県によってこの資格だと半年間は犬しか取り扱えない等の制限がつく場合があるので、必ず自分が開業したい地域の自治体に確認した上で受験しましょう。
愛犬飼育管理士資格の詳細⇒「JKC愛犬飼育管理士資格の取得方法と試験内容や難易度について」
家庭動物管理士
こちらの資格は申し込み後届いたテキストで勉強をし、1カ月後の試験に合格すると資格の登録ができます。定期的に試験を行っているので、ホームページで確認するか問い合わせをしてみましょう。
試験の範囲が公開されていて、テキストを購入せず試験だけ受ける事も出来るようですが、テキストに沿って出題されるので、しっかり受講した方が合格率は上がります。
都道府県によってこの資格で動物取扱業の登録が出来るかは変わってくるので事前に各自治体に確認しておきましょう。
基本的に動物学校を卒業している人に向けた資格ですが、「動物関連の業務に就きたいと考えている方」も対象にしているので受験は可能です。
家庭動物管理士資格の詳細⇒「家庭動物管理士とは?テキスト、問題、合格率や資格取得の費用について」
オススメの資格
愛玩動物飼養管理士(1級、2級)
こちらの資格はペットシッターで取得している人が多い資格です。申し込み後に届いた教材で勉強をし、講習会への出席(1日)、課題の提出後、試験という流れで約6~8か月で取得が可能です。先ほど紹介した資格に比べ取得に必要な期間は長いですが、じっくりと学べて、登録後の資格更新費用はありませんので、長い目で見るとコストも抑えられます。
その為、年度毎に更新費用が必要な資格で開業時した方も営業をしながらこの資格の取得を目指す方もいらっしゃいます。課題の提出時に練習問題があるのですが、その内容をしっかり覚えると合格へ近づきます。
愛玩動物飼養管理士資格の詳細⇒「愛玩動物飼養管理士2級の資格取得の流れと試験の難易度や費用について」
ペットシッターの資格は「信頼」につながる
ペットショップ等で半年以上の勤務経験があれば資格無しで開業もできますが、やはりお客様目線で見ると何かしらの資格は欲しい所です。(※2020年6月からは動物取扱責任者の要件として資格+半年間の実務経験か一年間の飼養経験が必要となります。)
数回あなたのペットシッターサービスを利用していれば、「この人に任せておけば安心!」と信頼してもらえますが、初めてのお客様はそうはいきません。
たくさんの動物に関わってきて取扱いにも慣れている事をアピールしたり、しっかりと説明やお話をして人柄を知ってもらえたとしても、初めてのお客様は「良い人だけど大切なペットをこの人に預けて大丈夫なのか?」と判断に困ってしまいます。
もちろん資格があれば100%という訳ではないですが、信頼して任せてもらえる一つの材料にはなるでしょう。
まとめ
ここではじっくりと取る資格から短期間で取れる資格や費用等についてもお話してきましたが、一番大切なのはお客様に頼まれた事をしっかり実行し、大切なペットをしっかりお世話する事なので、資格を取って開業できたから良いではなく、日々、ペットに対する知識や接客に対する知識を勉強していく事が大事です。